学校長
 
 増穂小学校は,山梨県の甲府盆地の南端に位置し,西にアヤメの群生地である櫛形山を仰ぎ,東には富士川を望むという山紫水明の地に抱かれた市街地にあります。
 本年度は,71名の新入生を迎え,全校児童が496名でスタートしました。教職員は54名で県内有数の大規模校の一つです。敷地内に一際美しい西洋様式の建物がありますが,これが明治9年に建築されて以来,増穂教育のシンボルとして町民から親しまれてきた「太鼓堂」(旧舂米学校)です。現在は,明治以来の教科書や色々な教材・教具をはじめとして,たくさんの貴重な教育資料を展示する資料館となっており,県内外より多数の訪問客をお迎えしています。
 本校は,今年創立134年目を迎えました。この長い歴史の中で,2万人を超える卒業生を送り出しております。中には,生誕130年を記念して顕彰碑が建立された第55代総理大臣の石橋湛山氏や,将棋の第51期名人の米長邦雄氏もおり,小学生時代を過ごしました。そのほか,政財界,スポーツ界等々,様々な分野で大活躍をしている先輩がたくさんいます。
 正門を入りますと奈良時代初期に活躍した万葉集を代表する歌人「山上憶良」の有名な歌碑があります。「白銀母 金母 玉母 奈爾世爾 麻佐禮留多可良 古爾斯迦米夜母」という歌ですが,『黄金や銀,宝石などの宝も,子どもに勝るものではない』という意味が込められています。まさに子どもはかけがえのない宝であり,そのことは昔も今も変わらぬものであることを実感いたします。家族はもとより地域や社会の宝である一人一人の子どもの成長を願い,今年度も目標に掲げた「心ゆたかで,かしこく,心身ともにすこやかでたくましい子の育成」をめざし,精一杯努力をしてまいります。保護者や地域,また関係の皆様のお支えを心よりお願い申し上げます。